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4. Fedora の変更点 - 開発者向け

4.1. 開発ツール

Fedora は伝統的に豊富な開発ツール群が含まれています。以下は、このリリースの Fedora に含まれる開発ツールに対する多くの改良の注目点です。

4.1.1. gcc

Fedora 17 は gcc, gcc-c++, gcc-gfortran, gcc-objc, および gcc-gnat のバージョン 4.7.0 が含まれます。この更新は、C と C++ だけではなく、Ada や Fortran を含む gcc シリーズのコンパイラーに対する数多くの変更を含みます。完全な詳細は、http://gcc.gnu.org/gcc-4.7/changes.html にある GCC 4.7 リリースシリーズの変更点を参照してください。
いくつかの注目点:
  • IRIX 6.5, MIPS OpenBSD, Solaris 8, Tru64 UNIX 5.1 およびいくつかのレガシー ARM プラットフォームを含む、いくつかのアーキテクチャーのサポートが終了する予定です。
  • C, C++ および Fortran における OpenMP 3.1 のサポート
  • C11 および C++11 標準の更新へのさらなるサポート
  • Ada の新しいデバッグ柔軟性
  • Fortran における数多くのパフォーマンス向上
  • 多くのオプティマイザーの改善
  • 新規プラットフォーム:
    • ARM Cortex A7
    • AVR XMEGA
    • Texas Instruments C6X
    • National Semiconductor の CR16
    • Tilera TILE-Gx および TILEPro ファミリー
  • さらに ARM, AVR, IA-32/x86-64, MIPS, PowerPC/PowerPC64, SH および SPARC においてプラットフォーム固有の改善があります。

4.1.2. gdb

Fedora 17 は現在 gdb 7.4.50.20120120 が含まれます。多くの新しい機能を確認するには、http://www.gnu.org/software/gdb/download/ANNOUNCEMENT を参照してください。

4.1.3. Haskell

Haskell プラットフォームは最新の 2011.4.0.0 リリースに更新されました。

4.1.4. JBoss AS 7

スリムダウンされたバージョンの JBoss AS 7 (jboss-as) が、Fedora 用にパッケージされました。 JBoss AS 7 は、高速で、モジュラーで、軽量な、Java EE 準拠のアプリケーションサーバーです。現在、JBoss AS 7 Web Profile だけがサポートされています。 Full Profile のサポートは、将来のリリースで追加される予定です。

4.1.5. OpenJDK

OpenJDK7 は、OpenJDK6 に代わって、Fedora でのデフォルトの Java Development Kit になりました。OpenJDK7 で追加された機能の完全なリストは、アップストリームの http://openjdk.java.net/projects/jdk7/features/ を参照下さい。

4.1.6. doxygen

数多くのバグ修正に加えて、doxygen 1.7.6.1 は次のものを含みます:
  • 選択されたメンバーが HTML 出力で軽くハイライトされるようになりました。(GENERATE_TREEVIEW が有効なとき)
  • ナビゲーションツリー(GENERATE_TREEVIEW)は、インデックスと同じ情報を表示します。
  • レイアウトのナビゲーションセクションは、ナビゲーションツリーで表示されるものも制御するようになりました。
  • クラスあるいは構造体が多くの(>15) 同じ型のメンバーを持つとき、最初の10だけが、UML ダイアグラムに表示されます。
  • JavaScript ベースの検索エンジンの出力をよりコンパクトにしました。
  • フランス語の翻訳の更新
  • PHP heredoc と nowdoc construct のサポートを追加しました。
  • > オペレーターオーバーローディングの場合の、クロス・レファレンス機能のサポートが追加されました。これには、BUILTIN_STL_SUPPORT が有効な場合の、 std::auto_ptr,std::smart_ptr,std::unique_ptr そして std::weak_ptr が含まれます。
プロジェクトのサイト: http://www.stack.nl/~dimitri/doxygen/index.html

4.1.7. emacs

GNU Emacs がアップストリームの最新のプレリリース 24.0.93 に更新されました。

4.1.8. git

git が 1.7.9 に更新されました。Fedora 16 は 1.7.7 が含まれていました。
多くの小さな新機能があります。興味を持たれた方は、アップストリームの changes since 1.7.8 changes since 1.7.7 を参照下さい。

4.1.9. rcs

由緒ある revision control system (rcs) が 5.8 に更新されました。
更新は次のものが含まれます:
  • GPLv3+ ライセンス化
  • 用語の変更: "パス" から "ファイル名" に
  • RCS パッケージの変更
    • Info 形式の新しいドキュメント
    • 設定オプションの廃止: --with-diffutils
    • いくつかの設定において設定の厳密化、他における弛緩化。
    • 新しい設定オプション: --enable-suid[=setreuid]
    • 新しい設定オプション: --disable-mmap
    • 新しい設定オプション: --enable-mailer=PROG
    • 新しい設定オプション: --enable-compat2
    • "make install" 前に "make check" できます。
  • バグ修正
    • すべてのリビジョンを削除するときにすべての編集情報を削除します
    • コードはもはや mktemp を使用しません。
    • その他のマニュアルページにおける微調整および修正。
  • 他の変更
    • すべてのコマンドは ‘--help’ および ‘--version’ を受け付けます。
    • 著者と状態に、すべて数字の文字列が使えるようになりました。
    • RCS_MEM_LIMIT 環境変数が、標準入出力のしきい値を制御します。
    • RCS が 2GB よりも大きなファイルを処理できるようになりました。
    • RCS ファイルのパススルー ‘commitid SYMBOL’ が組み込まれました。
    • RCS ファイルの最上位の文法が凍結されました。
    • RCS ファイルの構文検証がより簡単になり、完全になりました。
    • ci -m, rcs -m を用いた空のログメッセージを指定できます
    • 日付のオプションがさらにいくつかの日付のみの形式を受け付けます
  • rcsdiff への変更
    • オプションの新しい処理方法: -U N
    • "same-revision don't call diff" 最適化の精度向上

4.1.10. subversion

バージョンコントロールシステム subversion が、 1.6.17 から 1.7.3 に更新されました。多くの変更がありますが、その中には、 HTTP の使用の改善、リモートダンプツール、そしてコンソール出力の改善があります。その他の改善については、ぜひ、 http://subversion.apache.org/docs/release-notes/1.7.html を訪れて下さい。

4.1.11. bugzilla

bugzilla 4.0.4 は、以前のバージョンにあった多くのセキュリティ問題を修正しました。さらに、新リリースでは、システム管理者がオートコンプリートを無効にすることができるようになった他、多くの小さなバグを修正しました。詳しくは、 http://www.bugzilla.org/ を参照下さい。

4.1.12. bzr

bzr 2.5 は、基本的にはバグ修正リリースですが、それは新しい安定版バージョンであり、将来のバグ修正はそれをもとにします。

4.1.13. highlight

Fedora 17 は highlight 3.7 が含まれます。バージョン 3.6 の改善は次のものが含まれます:
  • Biferno のサポート
  • RPL のサポート
  • Ceylon のサポート
  • 修正された Ruby 定義
  • HTML フォント文字列はフォントのリストを含むことができ、引用符で囲まれていません。
  • ユーザーのディレクトリーの代わりにカレント作業ディレクトリーに設定ファイルを保存するために --portable コマンドラインを追加しました。

4.1.14. mercurial

mercurial は 2.1 に更新されました。興味のある読者は、新機能とバグ修正の詳細な一覧のために http://mercurial.selenic.com/wiki/WhatsNew を訪問してください。

4.1.15. monodevelop

いくつかの設定において設定の厳密化、他における弛緩化。
  • プロジェクト管理
    • 新しい Edit References ダイアログ
    • 改善された Class and Document Outline パッド
  • ソース編集
    • 構文ハイライトのカラースキーマの新しいエディター
    • 構文ハイライトの新しい初期カラースキーマ
  • Version Control と SVN サポートに関する修正と改善。特に、リンクされたファイルを含むプロジェクトをバージョンコントロールに追加する処理が、正しく行われるようになりました。
さらなる詳細はプロジェクトのウェブサイト http://monodevelop.com/ を訪問してください。